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混乱する兄

最近、兄が混乱してる。
あたしを見る目が変わったってゆうか、なんか落ち着かないってゆうか、とにかく変だ。
兄が混乱しだしたのは、たぶん先週の日曜日だと思う。

その日、あたしは友達の勧めでメガネからコンタクトに変えた。
その日、あたしは友達の勧めで髪を染めた。
その日、あたしは友達の勧めで初めてメイクした。
その日、あたしは友達の勧めでビキニの水着を買った。

自分が男の子からどんな風に見えるか気になったので、まずは身近な兄に聞こうと思った。
あたしは、水着姿を兄に見せて「どう?」って聞いた。

たぶん、その時から兄は混乱してるみたいだ。
今までみたくプロレスごっこをしてくれない。
でも、なんか、ずっと、視線を、感じる。
それって、喜んでいいのかな?

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by Joker-party | 2008-03-31 04:33 | Comments(0)

流浪の靴底

吾輩は靴底である。
名前はピンヒールの靴底である。
そのまんまやないけ、と突っ込まれるのは厭なので、ピンヒールでよい。

吾輩を履いているのは、若い女性である。
彼女は、旧来「OL」と呼ばれていたが、現在は「遊ぶ金欲しさに五時まで働く女」という。
いずれにせよ、冬でも日焼けしている。

一応吾輩を買い求め履いて頂いているのだから、そんな彼女でもご主人様だ。
その上、ご主人様と呼んだ方がエロいので、そう呼ばせて貰おう。
ご主人様は、吾輩をお履きになって、遊ぶ金欲しさにお働きになった後、本来の目的である男遊びをなさる。

この日も、ご主人様は標的の男をお誘いになり、暗闇でキスをされた。
そして、早足の男を追いかけて階段を駆け上がられる際、お転びになった。
その衝撃で、吾輩が取れてしまった。
ご主人様にとっては男が大事なので、いらつきながら吾輩を放り投げられて去られた。

吾輩は、近くのドブに落ちた。
そして流れ流れて海に出て、今はワイキキの浜辺にいる。
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by Joker-party | 2008-03-30 06:33 | Comments(0)

病気ガ花見デ悪化スル

桜ガ咲イタ
春ガ匂ッタ
私ノ病気ハ治ラナイ

私は、病気なのです。
でも、医者には行っていないのです。
誰にも会いたくないのです。
人と話すことが出来ないのです。
だから家に籠っているのです。
ただじっと窓の外を見て過ごすのです。
でも、満開の桜が見えたので、外に出るのです。
光が眩しくて眩暈ガスルノデス
アア久しブリノ花見ダ
桜ニ酔ッパラッウ

アアモウダメカモシレナイ
私ノ病気ガ悪化スル
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by Joker-party | 2008-03-29 21:33 | Comments(0)

薮蛇

薮蛇は悲しかった。
人間のせいで、妙なたとえ話に使われるばかりか、薮蛇という種の存在さえも否定されているからだ。
先日小学校の図書館にニョロった時、図鑑を覗いてみたが、薮蛇は載っていないかった。
薮蛇は、友達のツチノコに相談してみることにした。

ツチノコはこう答えた。
「なにかが実在しているから名前があるのではない。
名前を付けることで、なにかの実在が顕在化されるのだ。」
「ごめん、わかんないや。もう少しやさしく言ってよ」
薮蛇が頼むと、ツチノコは言った。
「おまえがちゃんと生きてるから、薮蛇って呼ばれてるんじゃないんだ。
おまえを薮蛇って呼んだとき、初めておまえが生きてることがわかるんだよ」
「なあんだ、そうだったのか。ありがとう」

家に帰った薮蛇は、もう一度じっくりツチノコの答を考えてみた。
「………………………………………答になってない!」
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by Joker-party | 2008-03-28 18:24 | Comments(0)

変な歯医者

ちょっと歯が痛んだので、近所の歯医者に行った。
幸い空いていて、あまり待たずに診察室に通された。
中には白衣の女医さんが一人だけで、助手らしき人はいなかった。

歯医者特有の椅子に座ると、彼女は「どうされました?」と聞いた。
「なんか、ちょっと奥歯のあたりが痛いみたいなんですけど…」
「そうですか…今朝は何を食べましたか?」
「えっと…茹で卵とパンとコーヒーですね」
「それってモーニングセットですか?」
「や…ウチで食べたんですけど…」
「でも、モーニングセットですよね」
「あ、まあ…そんな感じになっちゃったってゆうか…」
「それはね、モーニングセットなんです!」
「あはい…」
「ったく…」そう言い放つと、彼女は深い溜息をついた。

しかし、すぐ「ちょっと待って」と言って彼女は奥に去り、ワゴンを押して戻ってきた。
ワゴンには、野菜や果物などの食材と数十本の瓶が乗っていた。
「徹底的にやるわよ~」
そう言うと彼女は、歯医者特有の治療器具を駆使して調理を始めた。
いったい何を食わされるのだろう…。

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by Joker-party | 2008-03-27 05:46 | Comments(0)

究極の屁

海外でも活躍中のトップモデルであるセリナさん(21)に、スリムで引き締まったボディを保つための秘訣を聞いたところ、意外なことに「屁」だと言う。
「屁?…って、オナラのことですか?」
驚いて聞き返すと、笑って「Yes,Yes」とうなずき、こう答えてくれた。

「オナラって言っても、普通のオナラじゃないのよ。究極の屁!
まず普通は…まあブッとかプーとかじゃない?音って(笑)
でもね、あたしのは違うんですよ~。なんていうのかな…フルート?ってゆうか…まあそんな感じで…音階?…ってゆうかメロディとかで…あ、そうだ…聞いてみたらわかりますよ」

まさかの展開に驚いたが、セリナさんは腰を振って踊りながら「屁」を披露してくれた。
その音は、まさに格調高い金管楽器のような澄んだ音色だった。
そして、「究極の屁」によって演奏されたのは、こんな曲だった。

ピーポ、ピーポ、ポロロンパー
ポンカラテッコ、パップルヒー
シュークリーム、ププッピドゥー

そして、なによりも素晴らしいことに、すっごく臭い!
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by Joker-party | 2008-03-26 04:50 | Comments(0)

鬼が笑う時

来年の話をすると鬼が笑うという。
それなら、鬼はこの他どんな時に笑うのだろうか?
気になったので、地獄で取材した。

地獄には鬼がたくさんいたが、どの鬼も警備や監視で忙しそうだった。
やはりアポなしの取材は大変なのだ。
歩き回っていたら、休憩室があった。
中を覗くと、一匹の鬼がポテチを食べながら休憩していた。
ペットのお茶を渡しながら取材を申し込むと、応じてくれた。

「早速ですが、どんな時に鬼さんは笑うんですか?」
「どんな時って…そうだねえ…ってゆうか最近笑ったことないなあ…」
「そうなんですか…」
「そりゃそうだよ。だってさ、物価は上がる、給料は上がらないでしょ。ウチら非正規雇用だからボーナスもないしさ、ほんともう大変だよ。金ないから今日だって、ほら昼飯はポテチだけだもん。まあ、それでも俺なんかまだマシだよね。同期の鬼なんか、住むとこないのザラだからさ。ネットカフェとかファストフードとかで寝てるヤツいっぱいいるし…ワーキングプアっていうの?とにかくさ、ひどいもんだよ。だからさ、笑えることなんてないんだよ」
そう言うと、鬼は深い溜め息をついた。
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by Joker-party | 2008-03-25 04:17 | Comments(0)

メイキング・ビデオ

『ドキュメント・働く代議士』というDVDを借りた。
ある地方の代議士が、地域の高齢者のために福祉施設を作ろうと尽力するドキュメンタリーだ。
そのDVDに、初回特典としてメイキングビデオが付いていた。

まずは、代議士役のオーディション風景。監督と制作スタッフが、「もっと地味な感じでなきゃ」などと審査していた。
続いて、高齢者の代表役や業者役のオーディション風景。
その後、貧しい高齢者が暮らす地方のロケハンや壊れかけた家のセットを作る様子が続く。
そして、一般の高齢者や地域の商店街の人や福祉専門の大学教授などに札束を配るスタッフの様子があり、いくつかのシーンのNG集へと続く。
最後に、某建設会社の幹部とスタッフがコンパニオンを呼んで乱痴気騒ぎをする打ち上げが撮影されていた。

本編よりメイキングの方が面白かった。
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by Joker-party | 2008-03-24 04:13 | Comments(0)

冷凍娘

目が覚めると、もう十時近くだった。
少し飲み過ぎたようだ。
まあいい。幸い日曜日だ。

キッチンに妻の姿はない。
居間のテーブルの上に、走り書きのメモがあった。
「取材でしばらく留守にします。冷凍庫に娘が入ってるからチンして食べてね!」とある。
妻はフリーのルポライターなので、突然旅に出ることはしばしばだった。
しかし、冷凍娘というのは初めてだ。

顔を洗ってから、冷凍庫を開けてみた。
そこには、たしかにパックされた『冷凍娘』という包みがあった。
取り出してみたが、なにも調理法など書いてない。
いったいどうやって食べるんだろう。
仕方ないので、とりあえず3分ばかりチンしてみた。

レンジの扉を開けると、まだ幼い。
これを食べたら犯罪だろう。
さらに5分ほどチンしてみたら、ちょうどいい年齢のようだった。
「もう食べてもいいのかな?」
聞いてみると、娘は「別にいいけど」と言う。

そのままキッチンで試食してみたが、冷凍だけに、まだ冷たかった。
きっとお昼過ぎが食べ頃なんだろう。
それまでにシャワーを浴びておこう。

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by Joker-party | 2008-03-23 06:55 | Comments(0)

仙吉さんの小物入れ

仙吉さんの机には、孫からもらった小さな木箱が置いてある。
かなり前鎌倉に行った時、お土産に買ってきてくれたものだ。
その木箱を、仙吉さんは小物入れとして長年使っている。
そこには、実に様々なものが入っている。

薄紅色の貝殻。サイダーの蓋。ちびた色鉛筆。なにかのキャップ。欠けた前歯。瓢箪型の醤油入れ。旅行用の小さな歯磨きチューブ。取れたシャツのボタン。小石。枯れた木の枝。チューリップの髪留め。割れたガラスの破片。古い切符。

…などなど、他人から見たらゴミ屑に思えるような小物たちが詰まっている。
仙吉さんは、お茶を飲みながら小物たちを眺めるのが好きだった。
ひとつひとつ手にとっては、懐かしそうに眺めるのだ。

中でも、仙吉さんが特にお気に入りの小物がある。
角度を変えると見え方が変わるバッジだ。
そのバッジには、あるモデルのヌード写真が嵌め込まれていて、角度を変えると服を着たり脱いだりするのだ。

仙吉さんは、今日も嬉しそうにバッジのモデルを脱がせている。
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by Joker-party | 2008-03-22 09:58 | Comments(0)

校倉元の冗談なブログ


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