アップルパイの爆発

カレシに食べてもらおうと思って手作りのアップルパイに挑戦してみた。
だって、カレシはアップルパイが大好物なんだもん。

林檎を買った。
粉から作るのはムリだと思ってパイ生地を買った。

生まれて初めて林檎をむいた。
手を切って血だらけになって林檎は半分の量に減った。
どうせ焼いたらわかんないし…。

よくわかんないから切り刻んだ血だらけの林檎をパイ生地に包んでオーブントースターに入れた。
よくわかんないから洗濯しながらテレビとか見ながらチンと音がするまで待った。

いつまで待ってもチンって音がしないので忘れてしまった。
そのうちバンって音がして、部屋中にアップルパイが破裂して散乱した。

きっとシナモンだと思って買ってきた粉が火薬だったのだろう。
あたしは、ムカついたからカレシを呼び出して部屋中を舐めさせた。
カレシは舐めるのが大好きなのだ。

アップルパイを手作りして、またひとつ大人になった気がする。