2012年 03月 02日
涙腺ドロップ 17
突然の申し出に、しばらく三人は声が出なかった。それぞれに思いは違うが、ついさっき失神状態だった最初の観客からの思いもよらぬ要望にアッケに取られていたのだ。
短い沈黙を破ったのは、モグラだった。
「リボンさんがいいなら、ボクはいいですよう」
「あたしは、別にいいと思うけど…。ピックは?」
ピックも、特に反対する理由がなかったから「ま、いんじゃね?」と曖昧に答え、アッサムの加入が決まった。
「それでさ、なんか楽器できたりするの?」リボンが聞いた。
「笛なら少し」
「笛?」
「うん。小学校の頃だけど」
「それって、なんだっけ…ああ、リコーダー?」
「知らないけど、まだ持ってると思う」
「じゃあ、今度持って来て」
こうして、成り行きで生まれたバンドは、出来たばかりで新たなスタートを切ることになったのだ。
短い沈黙を破ったのは、モグラだった。
「リボンさんがいいなら、ボクはいいですよう」
「あたしは、別にいいと思うけど…。ピックは?」
ピックも、特に反対する理由がなかったから「ま、いんじゃね?」と曖昧に答え、アッサムの加入が決まった。
「それでさ、なんか楽器できたりするの?」リボンが聞いた。
「笛なら少し」
「笛?」
「うん。小学校の頃だけど」
「それって、なんだっけ…ああ、リコーダー?」
「知らないけど、まだ持ってると思う」
「じゃあ、今度持って来て」
こうして、成り行きで生まれたバンドは、出来たばかりで新たなスタートを切ることになったのだ。
by Joker-party
| 2012-03-02 08:10