2008年 02月 12日
軒下の燕
絹代さんの軒下には、燕の巣があります。
その小さな巣からは、毎年数羽の燕の子が巣立っていきます。
今年も軒下では、燕の子がちいちゃな口を開けて、親燕の帰りを待っています。
絹代さんは、この時期が大好きです。
夫を亡くし、子供たちも独立して都会に行ってしまって、一人暮らしの絹代さんにとって、燕の子は自分の孫みたいに思えるのです。
今日も、絹代さんは散歩から帰ると、軒下を見上げました。
燕の子は、相変わらずチイチイ鳴きながら、親の帰りを待っています。
絹代さんは、燕たちに「ただいま」と言ってから話し掛けます。
「今朝はね、海の方まで行って来たんだよ。そしたらね、こんな貝が浜辺に落ちていたんだよ」
そう言うと、絹代さんは薄紅色の貝殻を出して見せました。
「ここに住んでいた貝はね、今遠~くに行ってるから姿が見えないけど、こうやって耳に当てると、ちゃ~んと話が聞けるんだよ」
絹代さんは、燕たちを見上げながら嬉しそうに貝殻を耳に当てました。
その小さな巣からは、毎年数羽の燕の子が巣立っていきます。
今年も軒下では、燕の子がちいちゃな口を開けて、親燕の帰りを待っています。
絹代さんは、この時期が大好きです。
夫を亡くし、子供たちも独立して都会に行ってしまって、一人暮らしの絹代さんにとって、燕の子は自分の孫みたいに思えるのです。
今日も、絹代さんは散歩から帰ると、軒下を見上げました。
燕の子は、相変わらずチイチイ鳴きながら、親の帰りを待っています。
絹代さんは、燕たちに「ただいま」と言ってから話し掛けます。
「今朝はね、海の方まで行って来たんだよ。そしたらね、こんな貝が浜辺に落ちていたんだよ」
そう言うと、絹代さんは薄紅色の貝殻を出して見せました。
「ここに住んでいた貝はね、今遠~くに行ってるから姿が見えないけど、こうやって耳に当てると、ちゃ~んと話が聞けるんだよ」
絹代さんは、燕たちを見上げながら嬉しそうに貝殻を耳に当てました。
by Joker-party
| 2008-02-12 06:13