2008年 02月 15日
留萌の人
寝坊したので朝飯を作る時間がない。
しかたなく会社の近くで食べることにした。
会社の近くには何軒か店がある。
その中に、前から気になっていたが入ったことはないカフェ風の店があった。
おそらくモーニングセットぐらいはあるだろう、そう思って入ってみた。
「いらしゃいませ」
可愛い女の子が明るく挨拶してくれた。好印象だ。
「もうやってますか?」
「はい。失礼ですが留萌の方でいらっしゃいますか?」
「……え?」
「失礼致しました。では、こちらへどうぞ」
女の子が案内してくれたのは、眺めのよい窓際の席だった。
「少々お待ちくださいませ」
しばらくして、別の女性がメニューと水の入ったコップを持ってきた。
「いらっしゃいませ。失礼致します」
丁寧にコップとメニューを置く。
「失礼ですが、留萌は雪でしょうか?」
「………や、ちょっとわからないんだけど」
「失礼致しました。お決まりになりましたら、お呼びくださいませ」
留萌?
時計を見ると、出社時間が迫っていた。
さっと決めて、さっと食わなければ遅刻だ。
急いでメニューを開くと、飲み物も食べ物もセットもすべて「留萌の人」と書いてある。
見間違いかと思って何度も見直したが、メニューには「留萌の人」しかないのだ。
気味が悪くなった。
しかたない。朝食抜きで出社しよう。
そう思って立ち上がり、出口へ急ぐ。
最初の可愛い女の子が聞く。
「いかがなされましたか?」
「ごめんなさい。ちょっと急用が出来ちゃって…。また今度来ますから」
「失礼ですが、留萌の方でいらっしゃいますか?」
「え?なんなんですか!違いますよ」
その言葉に、店じゅうのスタッフや客が反応し、俺を囲んだ。
俺は、その日から留萌の人になった。
しかたなく会社の近くで食べることにした。
会社の近くには何軒か店がある。
その中に、前から気になっていたが入ったことはないカフェ風の店があった。
おそらくモーニングセットぐらいはあるだろう、そう思って入ってみた。
「いらしゃいませ」
可愛い女の子が明るく挨拶してくれた。好印象だ。
「もうやってますか?」
「はい。失礼ですが留萌の方でいらっしゃいますか?」
「……え?」
「失礼致しました。では、こちらへどうぞ」
女の子が案内してくれたのは、眺めのよい窓際の席だった。
「少々お待ちくださいませ」
しばらくして、別の女性がメニューと水の入ったコップを持ってきた。
「いらっしゃいませ。失礼致します」
丁寧にコップとメニューを置く。
「失礼ですが、留萌は雪でしょうか?」
「………や、ちょっとわからないんだけど」
「失礼致しました。お決まりになりましたら、お呼びくださいませ」
留萌?
時計を見ると、出社時間が迫っていた。
さっと決めて、さっと食わなければ遅刻だ。
急いでメニューを開くと、飲み物も食べ物もセットもすべて「留萌の人」と書いてある。
見間違いかと思って何度も見直したが、メニューには「留萌の人」しかないのだ。
気味が悪くなった。
しかたない。朝食抜きで出社しよう。
そう思って立ち上がり、出口へ急ぐ。
最初の可愛い女の子が聞く。
「いかがなされましたか?」
「ごめんなさい。ちょっと急用が出来ちゃって…。また今度来ますから」
「失礼ですが、留萌の方でいらっしゃいますか?」
「え?なんなんですか!違いますよ」
その言葉に、店じゅうのスタッフや客が反応し、俺を囲んだ。
俺は、その日から留萌の人になった。
by Joker-party
| 2008-02-15 04:12