2008年 03月 28日
薮蛇
薮蛇は悲しかった。
人間のせいで、妙なたとえ話に使われるばかりか、薮蛇という種の存在さえも否定されているからだ。
先日小学校の図書館にニョロった時、図鑑を覗いてみたが、薮蛇は載っていないかった。
薮蛇は、友達のツチノコに相談してみることにした。
ツチノコはこう答えた。
「なにかが実在しているから名前があるのではない。
名前を付けることで、なにかの実在が顕在化されるのだ。」
「ごめん、わかんないや。もう少しやさしく言ってよ」
薮蛇が頼むと、ツチノコは言った。
「おまえがちゃんと生きてるから、薮蛇って呼ばれてるんじゃないんだ。
おまえを薮蛇って呼んだとき、初めておまえが生きてることがわかるんだよ」
「なあんだ、そうだったのか。ありがとう」
家に帰った薮蛇は、もう一度じっくりツチノコの答を考えてみた。
「………………………………………答になってない!」
人間のせいで、妙なたとえ話に使われるばかりか、薮蛇という種の存在さえも否定されているからだ。
先日小学校の図書館にニョロった時、図鑑を覗いてみたが、薮蛇は載っていないかった。
薮蛇は、友達のツチノコに相談してみることにした。
ツチノコはこう答えた。
「なにかが実在しているから名前があるのではない。
名前を付けることで、なにかの実在が顕在化されるのだ。」
「ごめん、わかんないや。もう少しやさしく言ってよ」
薮蛇が頼むと、ツチノコは言った。
「おまえがちゃんと生きてるから、薮蛇って呼ばれてるんじゃないんだ。
おまえを薮蛇って呼んだとき、初めておまえが生きてることがわかるんだよ」
「なあんだ、そうだったのか。ありがとう」
家に帰った薮蛇は、もう一度じっくりツチノコの答を考えてみた。
「………………………………………答になってない!」
by Joker-party
| 2008-03-28 18:24