2008年 08月 03日
噛む鮎
松男は、鮎が大好物だった。
もちろん塩焼きが一番だった。
旬になると、毎日食べても厭きなかった。
鮎好きには当然の成り行きで、松男は鮎釣りにも夢中だった。
釣りたての鮎を川原で焼いて食べるのは、最高だった。
ある日、松男は何匹かの鮎を釣り、いつものように七輪で焼いて皿に載せた。
そして、食べようと箸を近付けた。
その瞬間、焼かれたはずの鮎が飛び跳ねて、松男の鼻を噛んだ。
驚いて皿を見ると、鮎は塩焼きの状態で横たわっている。
痛みはあったが錯覚かと思い、再び箸を近付けると、鮎は再び飛び跳ねて噛んだ。
数回こんなことを繰り返して、松男は決心した。
今度は、噛んでも食べてしまおう。
松男は、箸を近付ける。
鮎は、飛び跳ね、松男を噛む。
その瞬間、松男は落下していく鮎をつかんで、口に入れた。
鮎は、松男の舌を噛み切って胃袋へと逃げ込んだ。
舌のなくなった松男は、喋れなくなったが、それでも鮎を釣っては食べ続けた。
もちろん塩焼きが一番だった。
旬になると、毎日食べても厭きなかった。
鮎好きには当然の成り行きで、松男は鮎釣りにも夢中だった。
釣りたての鮎を川原で焼いて食べるのは、最高だった。
ある日、松男は何匹かの鮎を釣り、いつものように七輪で焼いて皿に載せた。
そして、食べようと箸を近付けた。
その瞬間、焼かれたはずの鮎が飛び跳ねて、松男の鼻を噛んだ。
驚いて皿を見ると、鮎は塩焼きの状態で横たわっている。
痛みはあったが錯覚かと思い、再び箸を近付けると、鮎は再び飛び跳ねて噛んだ。
数回こんなことを繰り返して、松男は決心した。
今度は、噛んでも食べてしまおう。
松男は、箸を近付ける。
鮎は、飛び跳ね、松男を噛む。
その瞬間、松男は落下していく鮎をつかんで、口に入れた。
鮎は、松男の舌を噛み切って胃袋へと逃げ込んだ。
舌のなくなった松男は、喋れなくなったが、それでも鮎を釣っては食べ続けた。
by Joker-party
| 2008-08-03 07:11