緑色のオレンジ (3)

昨日のことを聞いてみようかと思ったが、やめた。
なんか今は聞かない方がいい、そんな気がしたのだ。
まあいいや、そう思ったら急に腹が減ってきた。

「お腹空かない?」
絶妙のタイミングで男が言った。
空腹感を共有するのって、なんか悪くない。
でも部屋にはロクな食べ物はなかったし、食べに行くノリでもなかった。

「なんか取ろっか?」
麻衣が言うと、男は「冷蔵庫とか見ていい?」と言う。
「いいけど、なんもないよ」
たぶん、ほんとに、なんもない、はずだ。

男は、冷蔵庫に偶然存在していた数少ない材料を使ってタイトルのない料理を作ってくれた。
そして、それは抜群に美味かった。
見知らぬ男のポイントは、ぐ~んと上がった。
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by Joker-party | 2008-11-08 11:37 | Comments(0)

校倉元の冗談なブログ


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