2008年 04月 13日 ( 1 )

偶然ばったり町で出会った昔の同級生が、えらい羽振りがよくなっていて、懐かしいから飲もうと誘ってくれて、普段は居酒屋でも勘定にビクビクしながら飲む貧乏なのに、入ったこともない高級なバーに連れて行ってもらい、彼はえらくご機嫌で、店に来ていた二人連れの女の子に声掛けて一緒に盛り上がり、いつの間にか彼は勘定を済ませて女の子一人とフェイドアウトしており、残された俺は、もう一人の女の子と意気投合しちゃったようで、気が付くと数年来訪れたこともないホテルなぞに入っており、その子はシャワーを浴びていた。

―――これは罠だ。こんなうまく行くはずがない。騙されるな!

その彼女とは、ベッドでも意気投合して盛り上がり、チェックアウトまでしてもらい、出口でバイバイかと思っていたのに腕など組んで歩き出し、そのまま俺の狭くて汚いアパートにやって来て、あたしここに越してこようかな?それともウチに来る?来ても全然いいよむしろそうしなよとか言われ、頬をつねってみるなど古典的なリアクションをしたが覚醒しており、あれよあれよのうちにオートロック付きのマンションに同棲させていただくに至った。

―――これは罠だ。こんなうまく行くはずがない。騙されるな!

彼女の紹介で、安い自給のバイトから高い月給の嘱託社員になり、なんかしらんけど上司に気に入られ、君は君のペースで仕事してくれればいいからと有難いお言葉を頂き、そうこうするうちに、彼女が一度親に会ってよてゆうか会ってくれなきゃだしてゆうか来週会いに行きましょうとか宣言され、田舎のご両親には大歓迎と大感激と大飲食を受け、来月のこの日が大安だからいいんじゃない?いいわね膳は急げよねとかなって、おいおい結婚してしまった。

―――これは罠だ。こんなうまく行くはずがない。騙されるな!

先方のご両親やご親戚から大昔からの友達だったかのように扱われ、イザコザなどあるどころかイザコザという単語すら忘れ去り、どうせならこちらで暮らしなさいよあんたもいいでしょそうねあたしはいいわどう?ってことになり、風光明媚なる土地の広大なる敷地に立派過ぎる家を建てていただくうちに日々は過ぎ、健康な一男一女を授かり、あちょ~っという間に成長し独立し、健康にして順風満帆過ぎるがごとく年輪を重ねてしまった。

―――これは罠だ。こんなうまく行くはずがない。騙されるな!

いかなる人間でも老いるものであり、やがて来世への扉が近付き、それでも大きな疾病などには罹らず、太陽が燦燦と降り注ぐ初夏の午後、いわゆる老衰死の域に達するを感じ、妻子に囲まれた老床の上で、いまだに若々しい妻から、なにかおっしゃりたいことはない?と聞かれたので、辞世として最後に言い残した。

―――これは罠だ。こんなうまく行くはずがない。騙されるな!
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by Joker-party | 2008-04-13 05:02 | Comments(0)

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